「ナズーリンのダウジング講座『実践編』」
冒頭試し読みver

 失せ物探しが入り用だと言われたから、こんなところまで来てみれば……待っていたのが人間一人、とはね。
 それで? なにを探して欲しい、と言うんだい? 私に頼むぐらいだ、それなりの獲物なんだろうね?
 は? 失せ物なら、たったいま見つかった……?
 まさかとは思うが、あなたこそが捜し物でした、なんて三文芝居を繰り広げるつもりじゃないだろうね?
 さすがに鋭い、それでこそ私の恋の相手だ、って……。
 はぁ……。まったく、バカにも程度というものがあるだろう? それともキミは本気で言っているのかな?
 ……ほう、大真面目、と来たか。
 真面目、大いに結構。だけどね、私は生憎そういう輩と付き合っている暇はないんだ。
 ともかく失せ物は見つかったようだし、悪いが帰らせてもらうよ。これでいて暇を持て余す身でもないんだ。
 待て、って……用事なら済んだだろう? キミの失せ物はこうして見つかりました。はい、めでたしめでたし。
 それだと依頼は半分しか済んでいない、だって? 謝礼も用意してある、って……ふむ、チーズ、か。
 悪くはない報酬だけど、私への謝礼として用意するには、それはあまりにも安物すぎやしないかな?
 口にしてないじゃないか、って……これはまた舐められたものだね? 匂いでわかるさ。
 人が用意したわりには上等な部類かもしれないが、それでも、やはり人は人、だな。舌なめずりの価値もない。
 たしかに、謝礼にチーズ、というのは悪くない。だけど、朝から待たされていた私のネズミたちは生憎とチーズよりも人肉のほうが好みでね。
 その証拠に私のネズミたちは、チーズよりキミを所望しているみたいだよ? キミを食べたくて、うずうずとさっきから騒いでいる。
 ナズーリンに食べられるなら本望だ、って……。
 はぁ……重ねて言うが、キミは本当にバカだな?
 あまりつまらないことを言うようなら、その口から食べてあげようか?
 ははっ、キスなら大歓迎、ときたか。まったく、本当にどうしようもない減らず口だね。
 なんならその口、本当に減らしてもかまわないんだよ? 失せ物探しを頼むつもりが、キミ自身がこの世から失せる、というのも、滑稽で面白いだろう?
 それでも、いい……?
 くっ……くくっ、あははっ。あっ、いや、すまない。ここで笑ってしまうのは不躾だった。
 ただ、あまりにもキミが実直というか、馬鹿正直というか……少し、身近にいる人の事が脳裏に浮かんで……それで思い出し笑いをね。
 ふむ、いいだろう。残り半分の依頼、というのを聞こうか。無論、引き受けるかどうかは別問題だけどね。
 ……は? いま、あまりにも馬鹿げた内容が聞こえたんだが……もう一度、言ってもらえるかな?
 ……まいったな。まことに残念ながら聞き違いじゃないらしい。
 まったく、私に性感帯を探してくれ、だなんて……。
 そこまで低俗な事を本気で発想し、あまつさえ真面目に頼み込むとは……バカだバカだと思っていたけれど、ここまでバカだとはね。
 ダメか、だって? 無論、普段なら耳に入れもしない類の戯れ言だよ。だが……どうやら今日は、そういう戯れに付き合うのも悪くはない、という気分みたいだ。
 あははっ、そんなに嬉々とした反応を見せられると悪い気はしないけれど……でも、本当にいいのかな?
 なにが、って……ああ、なるほど。キミは私が失せ物をどうやって探すのか、詳しくは知らないのか。
 無論、ネズミたちを使って探すこともあるけれど、私自身が探す事だってある。ロッドを使う方法もあるけれど、今回はペンデュラムを使ってみるとしようか。
 普通、振り子によるダウジングは、揺れ方で判断する。だけど私のペンデュラムにはそれ以外にも力があってね、イエス・ノーで答えられる質問であれば、相手に問うことで、その正否がわかるんだ。
 性質上、あまり細かいことは問えないが、そこは回数を重ねれば問題ない。ケーキを切り分けるように、問題を切り分けていけばいいだけさ。
 物は試し、実演してみよう。さあ、ペンデュラムを持って……そうしたら力を抜いて、見つめてごらん。
 では、手始めに……キミは、私のことが好きかな?
 ……ほら、ペンデュラムが淡く輝いて微かに震えているだろう? これはイエス、ということだよ。もしノーであれば、ペンデュラムは何の反応も返さない。
 ふぅん……どうやら、先刻の告白は嘘ではないようだね? これならば、私の依頼人として資格あり、ってことになるかな。ふふっ。
 では、質問を変えよう。キミはいま私に触れられて、性的興奮を覚えているかい?
 ……へえ? ペンデュラムが反応している、ということは、キミはいま興奮しているわけだ?
 私が軽く触れただけで高揚するだなんて……この調子だと、どれだけの性感帯が眠っているのやら。
 いやいや、別に呆れてなどいないよ? ただ、はたして最後までキミの身体がもつのか、という心配をね。
 なぜって……当然、報酬の話さ。依頼を引き受けた以上、キミには相応のギャラを払ってもらわないと。
 さっきのチーズじゃダメなのか、って? あの程度では前金がせいぜい。だから不足分は、キミ自身の身体で払ってもらうんだ。異論はないだろう?
 もっとも、今さらやめろと言われたところで、やめる気はないけれどね。なにしろ、一度受けた依頼だ。
 ……とはいえ、この話はキミにとっても願ったり叶ったりじゃないのかな?
 私に触れられて、私の温度を感じて、これから行われるだろう行為を想像し、期待に胸……いや、キミの場合は股間を膨らませている、といったところだろう?
 ふふっ、別に構わないよ? キミが私で欲情したい、私で性欲を満たしたいというのであれば、別にそれを制止しようだなんて無粋な真似はしないさ。思う存分、痴態の限りを晒しても構わない。
 ほら、ペンデュラムもそれを肯定している。私が囁くたび、光りが強くなって……どうかな? 他人に心の中を覗かれる心地は。
 キミ自身が自覚していない痴態であろうと、これから私に探り当てられてしまうわけだ。だって、それがキミの依頼であり、望みなんだから……。くすくすっ。
 存外、こうして囁かれるだけでも射精してしまうんじゃないかな? だってほら、服の上からでも分かるぐらい、こんなにペニスがヒクヒクしている。
 ここまで上を向いて勃起している、ってことは……軽くなぞっただけでも、裏筋に触れてしまいそうだね?
 こうして、指先で衣服越しに、つつつっと……ははっ、切なげにビクビクして……キミのおちんちん、まるで水脈を探り当てた瞬間のロッドのように敏感だよ。
 このまま弄り続ければ、じきにいやらしい水音が聞こえてきそうだけど……そうなる前に、キミはコレを脱がせてほしいんじゃないかな?
 キミは、私の指先を生で感じたいだろう? 私の指で、ペニスを、おちんちんを、男性器を、ぎゅっと握られて、じわじわとしごかれたい。そう考えているんだから。
 ふふふっ。ほら、ペンデュラムがこんなに輝いて……キミの本心を教えてくれてる。最初に言ったはずだよ? 私の前で隠し事なんて無駄だ、ってね。
 キミは、私に性器を弄られたい。だらしなく勃起した、射精しか取り柄のないちんこを弄られて、真っ白な精子をびゅくっと吐き出したい、そう思っているんだ。
 なら……お願いしてごらん? さっきの告白のように、私の目を見て……さあ、この耳に、告げるんだ。
 愚息に触れて下さい、って。しごいて、こすって、握って、撫でて下さいって。亀頭を、竿を、カリ首を、根本を、裏筋を、金玉袋の皺ひとつすら余すことなく、あなたの好き放題にもてあそんで欲しいんです、って。
 …………くすっ。ほら、言えた。そんなに熱心にお願いされたんじゃ、聞いてあげないわけにはいかないね。
 なら、こうして……脱がす前に、直接、隙間から手をつっこんで…………っと、へぇ? これはこれは……。
 ガチガチっていうのはこういうことを言うんだろうね。感度がいい、なんて言葉じゃ足りないぐらいだよ。
 キミのおちんちん、随分と元気がいいんだね。中が蒸れるぐらい熱くなって、私の手にすり寄ってくる具合なんて、愛らしさのあまり食べてしまいたいぐらいさ。
 ふふっ、微かに指を濡らす感触……これは先走り汁かな? まったく、触れてもいないうちからカウパーを垂らすだなんて、キミは息子のしつけも出来ないのかい?
 なら、躾けてください……? ふふっ、キミもだいぶ利口……いや、素直になってきたじゃないか。
 ああ、そのほうがずっと、もっと気持ち良くなれる。私に身を委ねてくれるなら、今よりもずっと、ね?
 よしよし、素直なキミへのサービスとして、このまま服を脱がさずに扱いてあげよう。突っ込んだ手で、おちんちんの根本を軽く握ったら、そのまま竿の角度を正面に傾けて、ゆっくりゆっくり、じわじわと……。
 こうして焦らすように搾っていくと、ガチガチに勃起したペニスの先端……カウパーを垂れ流す亀頭の過敏な表面と、パンツがじりじりとこすれて……。
 ふふっ。キミの腰ときたら、情けないぐらい、びくっ、びくっと震えて……この程度の刺激でだらしない。
 ああ、それとも……私の手で扱かれるだけで、射精しそうなほど嬉しい、とか?
 ……へぇ、そうか。なら、良いことを教えてあげよう。私がロッド以外のものをこんなにもしっかりと握ったのは、今日が初めてなんだ。……これがどういう意味なのか、わからないキミじゃないだろう?
 ふふっ、くすくすっ。ああ、いいよ。今のキミの顔、吐息……実に素敵だ。舌なめずり、なんて言うけれど、まさにそんな心地だね。
 このままキミを本当に食べてしまいたいぐらい……今のキミの反応には、ゾクゾクさせてもらった。
 ほら、そんなキミのおちんちんを、根本からずにゅっと、もっと扱いてあげよう。パンツの裏地がぺとぺとになるぐらいの先走り汁を、亀頭になすりつけるようにして……ずにずに、ぐにゅっと……。
 見えない分、想像は膨らむばかりだろう? いまキミの下半身ではなにが起きているのか、その手がかりは、キミのちんちんが感じている快楽と、耳に届く水音さ。
 ほら……ずちゅずちゅ、ぬちぬちと……手に絡みついたカウパーを塗りたくるように竿を握れば、ひどく卑猥な音が、パンツの中から漏れ出して……くくっ、まるで楽器の奏者にでもなった気分だよ。
 ちゅぷにゅぷといやらしい音をいっぱいに響かせて……この硬い楽器は、ずいぶんとスケベみたいだね?
 楽器というなら、いますぐ吹いてほしい……?
 くくっ、ははっ、あははっ。うんうん、実に愉快な申し出だね。そういうユーモアは嫌いじゃないな。
 とはいえ、ユーモアと実技は別だよ。手で軽くしごいているだけでも果ててしまいそうなちんこを、私に舐めてほしいだなんて……それはさすがに贅沢ってものさ。
 キミには、手コキで充分。その証拠に……ほら、こうして手に力を込めながら、じりじりと揉むように、先走り汁ごとちんちんをたくしあげると……亀頭は右に左にくねくねと揺れて、パンツとこすれあって……びく、びくびくぅって……キミってやつは本当に敏感だね?
 わなわなと震える腰にあわせて、亀頭の先、尿道口が
――――